chapter.7〈Update.〉

ブランドとしての想いや願いはいくつかありますが、その中の一つに10年20年経って世代が代わっても、変わらず愛される「定番」と呼ばれるようなモノでありたいという願いがあります。その為には「作り続ける」ことと同時に、ある意味では「変わり続ける」ことが大事だと思っています。

変わるといっても、それはデザインや形などの外観的なことではなく、どちらかというと構造的な部分の「改良」にあたるところ。それは、例えば素材の質や、細かい縫製の手法だったり微妙なサイジングだったり。

実はリュトモスのほとんどのアイテムは、定期的にアップデートを行っています。代表作のお財布[Zip/ジップ]に関して言うと、リリースした時から現在までに大きく変わったところが5箇所はあって、見た目には分からなくても使い勝手や強度は明らかに向上しています。

このアップデート、ほとんどの場合そのきっかけは修理依頼によるもの。永く愛用頂いているお客様から頂く修理依頼というのは非常にありがたいもので、自分の作ったモノに足りないコトを教えてくれます。縫い目のほつれやファスナーの傷みなど使用による磨耗が原因のものから、お客さまそれぞれの使い方によるもの、そして、そもそもの構造に原因があるもの。その一つ一つを修理していく事で、どこをどういう風に改良すべきかが明確になっていきますし、お客様へお伝えするべき注意点なども、経験値として増えていきます。

そんな訳で、リュトモスのアイテムは常にアップデートされ続け、より良いモノへと成長しています。それを支えるのは、永く愛用して頂いているお客様の声。ちょっと傷んで使う事を控えたり、しまい込んでしまったり、使いながら少しでも気になる部分があったりしたら、是非アトリエにお持ち下さい。少々お時間を頂くかと思いますが、見違えるほど蘇りますし、私どものブランドにとっても有難い勉強になります。

一度送り出した製品たちが、お客様それぞれの生活に寄り添い、深い味わいをまとってアトリエに戻ってくるのもまた、楽しみの一つです。

デザイナー・職人 飯伏正一郎