chapter.3〈It is masterpiece of RHYTHMOS〉

[Zip/ジップ]はポーチ型のお財布で、収納力と使いやすさが特徴のリュトモスの代表作です。
 
ぱっと見はシンプルなファスナー付きのポーチなので、見た目ではお財布だと認識されないこともしばしば。手にとって中を見ても、そのサイズ感や独特な構造のため、説明がなければ使い方をイメージ出来ない解りにくい財布でもあります。

自分が使っているものを見せながら説明すると、お札や小銭・カード類はもちろん、通帳やパスポート、スマートフォンや名刺入れ等の厚みのある小物まで収納できること、パーツを極限まで少なくした薄くて軽いシンプルな構造ながら、見た目を裏切る収納力があるということ、その全てが手縫いだということに驚かれ、やっとその魅力を伝えることが出来ます。当たり前ですが実際に使ってもらえれば、上質な素材や丁寧な手仕事、シンプルな構造による使い易さは、瞬時に体感してもらえるはずです。第一印象がどうあれ、それが財布らしい財布であることを、きっと理解してもらえると思います。実際に、ご愛用者の皆さまからは「他の財布を使う気にならない」「友達や家族にも使って欲しい」等、嬉しいお声を頂いています。

そんな[Zip]の原型ができたのは2008年。以前はオーダーメイド製作が中心だったともあり、数多くのお財布を作ってきましたが、何かもう一つ、この形がベストだと思えるものがありませんでした。「お財布というものの型はある程度決まっているけれど、その枠をはみ出た新しいものがきっと出来るはず」そう感じていました。その自分の中の「型」を打ち破ったのが[Zip]だったのですが、思いとは裏腹に当初はまったくといって良いほど反応がありませんでした。それでも自分の中では「これ以上の財布はない」という根拠のない自信があったのと、一部の方に気に入ってもらえたこともあり「この財布をリュトモスの代表作に」と決め地道に作り続けてきました。

結果、2010年9月に出展した業者向け展示会(FOR STOCKISTS EXHIBITION)をきっかけに、老若男女を問わずたくさんの方にご好評を頂くアイテムとなりました。ちなみに、その時(2010年9月)の受注分から入れているシリアルナンバーは、先日「No.1,550」を越えました(2014年12月)。工場生産のモノには及びませんが、生産量の限られた手仕事で送り出す数としては、自分でも想像が追いつかない数で、正直びっくりしています。

Zipは、リュトモスのコンセプトや僕自身の想い、フィロソフィーが全てつまっている、まさに代表作なのです。

デザイナー・職人 飯伏正一郎

※instagramに「#my_zip」というタグを作っています。皆さんのZipの写真がUPされていますので、是非ご覧なって下さい。
Zipをご愛用頂いている方で、instagramのアカウントをお持ちでしたら、是非「#my_zip」のタグ付きでinstagramにUPして頂けると嬉しいです。

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