chapter.6〈手仕事のこと〉

リュトモスでは一部の布製品を除き、全てのアイテムがミシンを使わない「手縫い」で仕上げられています。

そのままでは硬くて針の通らない革は、目打ちを使って穴を開けてから縫います。蜜蝋を引いた麻の糸の両端に針を付け、両側から交互に針を通す「サドルステッチ」という製法で縫っていくのですが、この製法で縫い上げると革に糸がしっかりと食い込んで、ちょうど両側から波縫いをしたようなカタチになり、とても丈夫な縫い目になります。ミシン縫いの場合には上糸が下糸をすくって縫う仕組みなので、糸が貫通していないためどこか一部がほつれると全てほどけてしまうという欠点がありますが、サドルステッチにはこの欠点がありません。

とはいえ、手縫いは文字通り「一針一針」が手作業なので、ひとつのモノを作り上げるために手間も時間も掛かります。それでも機械で縫うより丈夫で、何よりも革のコンディションがダイレクトに指に伝わるということ、そして大切な素材への感謝のしるしとして、手縫いであることにこだわっています。

もう一つのこだわりは、本当に自分が欲しいと思えるモノを作る事。リュトモスのアイテムは、徹底的に無駄なパーツや装飾を排したシンプルでミニマムなものがほとんどです。それは嗜好品ではなく日常的に愛用されるモノでありたいという考えのもとにデザインしているからで、それは同時にクラフトとしての美しさと機能性へのこだわりでもあります。

丹念に磨き上げられたコバ、フレキシブルな収納性、手に馴染む感じ、質感、重量・・・男性的な力強さと女性的な繊細さを兼ね備えたものを生み出すことがブランドとして、職人としてのプライドです。

ただ、説明されなければ手縫いであることに気付かない人も多く、大量生産されるモノとの差が伝わらない事もよくあります。それでも、手仕事の温もりを大切にしつつシンプルなデザインを心がけ、多くの人に愛され暮らしに寄り添うモノを目指していれば、きっと手仕事であることの良さは知らずとも伝わると信じて、今日も針を動かしています。

デザイナー・職人 飯伏正一郎

RHYTHMOS Order fair

2015年9月1日、ファクトリーレザーブランド「RHYTHM」は「RHYTHMOS/リュトモス」として新たなスタートを切ります。
そのお披露目として、定番アイテムに新作を加えた新たなラインナップで、全国6会場の受注会ツアーを開催いたします。
「これまで」と「これから」の新たな始まりに、是非足をお運びください。

〈RHYTHMOS Order fair〉
会期 9月11日(金)~10月25日(日)

[場所] 
9月11(金)〜9月13日(日) 東京 
Playmountain http://landscape-products.net

9月18(金)〜9月20日(日) 北海道 
Less http://less-style.net

9月26(土)〜9月28日(月) 大阪 
dieci http://www.dieci-cafe.com

10月2(金)〜10月4日(日) 愛知 
soup. https://www.b-soup.com

10月16(金)〜10月18日(日) 福岡 
organ http://organ-online.com

10月23(金)〜10月25日(日) 鹿児島 
216 JUNCTIONS STORE http://ni-ichi-roku.tumblr.com/


〈RHYTHMOS Workshop〉
三角形の小物入れ

RHYTHM→RHYTHMOS

先日もお知らせしました通り、RHYTHMは9月1日をもって新しいブランドへと生まれ変わります。


生まれ変わると言っても、商品や基本的な活動内容に変わりはなく、下積み8年~ファクトリーブランドとしての5年半を経て、第3ステージへ進む新たなスタートを切る一つの節目と考えています。

新ブランド名は「RHYTHMOS/リュトモス」となります。

リュトモスとは、リズムの語源となった古代ギリシャ語で、物の姿や形を示すのに一般的に用いられたそうです。これまでのコンセプト通り「命=RHYTHM」という意味合いに加え、素材から新たな「形」へ生まれ変わるという意味も含み、かつ原点回帰という意味でも、この「RHYTHMOS」という名前を選びました。

リュトモスのスタートとして、全国6ヶ所での受注会ツアーを予定しております!詳細はまた後日お知らせいたします。


RHYTHMOS 
Hand Carfted Leathers
全ての生命はその生を全うし、自然へ還りまた新たな命が生まれます。
「革」もまた命ある動物から素材へ、素材から品物へと、形を変えながら、命の温もりを繋いで行きます。形だけでなくその表情をも変化させ、月日を重ね持つ人に寄り添い、唯一無二の存在へと変化してゆく。
そんな、温もりあるブランドでありたいと願い、デザイン・使い心地・デティールにこだわり、一針一針手縫いで仕上げています。それは、命を分けてくれた動物たちへの感謝のしるしであり、
RHYTHMOSのプライドでもあります。

chapter.5〈革と雨〉

今年の梅雨はとても梅雨らしく、6月に入ってからの鹿児島は雨、雨、雨…の毎日です。

雨と言えば、先日ミラノへ旅行した時の事。滞在中は、良い天気に恵まれ夏のような暑さでしたが、1日だけ予報では「夕方から雷雨」という日がありました。あいにく傘を持って行っていなかったので、どこかで調達しなければと気に留めて見ているのですが、TABACCIと呼ばれるコンビニ的なお店にも、お土産物屋にも大きなスーパーにも、どこにも見当たりません。結局、傘を見つける事は出来なかったのですが、ホテルに戻るためにトラムの駅に向かう途中で少し降られただけで、幸いびしょ濡れになることは免れました。

そして、そんな車内からの景色で疑問が解決しました。街中に、観光客にいろんなモノを売っているお兄さんたちが沢山いるのですが、その人達の売り物が、一瞬にして全て雨具に変わっていたのです・・・!よくよく聞いてみると、ヨーロッパの方は雨に濡れることを僕たちのように嫌がらないようで、雨だから濡れるのは当たり前でしょう?と言わんばかりに、傘をささずに歩く人を沢山見かけました。

でも、そんなヨーロッパの方達も、革製品が雨に濡れるのは嫌がるのではないでしょうか?革製品は雨に打たれると、表面にぽつぽつとシミができたり、色移りの原因になってしまいます。「革は濡れてはいけない」と思っている方は多いと思いますが、濡れないようにすることはもちろんですが、濡れた時にどうするか?の方が大事です。以前にメンテナンスについて書いたので重複する部分もありますが、今回は梅雨時期ということもあり、濡れた時の対処に限定してご案内します。

まず、濡れたらすぐにふき取ること。部分的にしか濡れていない場合は、そのままだと境目にシミが残りやすいので、濡らした柔らかいタオル等で、そのシミを馴染ませるように全体的に拭いていきます。この時にタオルの水分で革が濡れてしまってもOK。むしろその方が部分的なシミは目立たなくなります。

そしてしっかりと湿気を取る事が大事です。この時に、ドライヤー等を使って強制的に乾かすのはNG。水分が蒸発する時に革の油分まで持って行くので、逆に乾燥を招いてしまいます。乾燥すると、ヒビ割れの原因になりますし、さらに水分を吸収し易くなるため、次に濡れた時に、シミがつきやすくなります。新聞紙等を詰め、ある程度水分を吸収したら詰め物を取り替え、時間をかけて陰干しします。この時、除湿器の使用はOKです。

完全に湿気が取れたら、次は油分の補給をします。革にとって一番理想的なのは「乾燥し過ぎず適度な油分で潤っている」状態です。革用のクリームやオイルがあれば良いですが、モノによっては扱いが難しいので、手軽なお手入れとして私がおすすめしているのは、馬油(バーユ)やヴァセリンなどの無添加・無香料・無着色のスキンケア用品。ビックリされる方もいらっしゃいますが、革はもともと動物の皮膚だったわけですから、人間の肌に良いモノは同じく革にも良いのです。ただし、無添加というところがポイントです。ハンドクリームをもみ込む要領で、手で直接革製品に塗り込んで行きます。付け過ぎは逆効果なので、少量を薄くしっかりと伸ばすように。まんべんなくもみ込んだら、表面にのこった余分な油を乾いた柔らかい布で拭き取り、1日置いてもう一度カラ拭きします。

防水スプレーを使用する場合は、この時に仕上げとして使って下さい。ただ、皆さんご存知のように、油は水分を弾きます。しっかりと油分で潤っていれば、多少濡れてもすぐに拭き取ればシミにはなりません。あとはこの繰り返し。生き物でもモノでも、きちんと手をかけて可愛がってあげれば、しっかりと育ってくれます。日常的なお手入れが大事ということです。

僕自身も雨に濡れるのは嫌いですが、雨の日に部屋で静かに過ごすのは好きです。ここ最近は、雨音を聞きながら黙々と製作に集中するのが心地よいです。

デザイナー・職人 飯伏正一郎

暮らしの手帖

岡本仁さん「今日の買い物」の中でお財布をご紹介頂いております。今回は鹿児島編なので、友人のお店等も掲載されています。岡本さんの文章でご紹介いただくと、いつもとは違った見え方感じ方が出来て新鮮です。
是非お手に取ってご覧ください。

暮らしの手帖

https://www.kurashi-no-techo.co.jp/default/c4_76.html